【青春18きっぷ・群馬編】「日本一のモグラ駅」土合駅はディストピア感満載だった。

土合駅 お得なきっぷ旅

この冬の「青春18きっぷ」の旅も、関東近郊のミニ旅で終わりを告げたわけだが、まずは群馬の旅を3回に分けて…そう、一度に記事にすると長い文章を書かないといけないので面倒くさいから、3回に分けて記事にしようと思う。
といっても、観光名所とかをめぐっているわけでもないし、高級温泉旅館を紹介するわけでもないので、興味のない人はブラウザの「戻る」ボタンで検索結果の一覧に戻るか、ブラウザのタブを×で閉じた方が、時間を無駄にせずに良いかもしれない。
1回目は新宿を出発して「日本一のモグラ駅」と呼ばれる土合駅へ、2回目では餃子屋さんが経営する老神温泉の「東明館」に宿泊し、3回目は渋川の謎の巨大寺院「法水寺」で絶景と台湾グルメを堪能して東京に戻ってくる…という、かゆくもないところに手を伸ばしているような旅程なのである。
そういうわけで、まずは1回目。

長いトンネルを抜けてもまだトンネルだった。

【新宿→土合 3,430円】
08:28発 新宿 JR埼京線・武蔵浦和行 3,430円
08:41着 赤羽 
08:45発 赤羽 JR快速アーバン・高崎行
10:15着 高崎
10:25発 高崎 JR上越線・水上行
11:49着 土合

新宿駅を起点に、乗り継ぎを経て土合駅へ到着する頃には、もう、お昼時だった。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」とは、川端康成の『雪国』の冒頭の有名すぎる一文だが、長いトンネルを抜けてもまだトンネルであった。長岡方面へ向かう土合駅の下りホームは、長い長いトンネルの途中にある。ちなみに、川端の『雪国』のトンネルのモデルとされたのは、この土合駅の次の土樽駅とも言われている(もちろん作品当時とは線路も駅も様子が変わってしまったが)。

土合駅
巨大なトンネルの中にある「土合駅」のホーム。

土合駅で降り立ったのは、私も含めて10人ほど。ホームに停車している間に、さっとスマホで写真を撮る人の姿もちらほらといる。
駅のホームでぶらぶらとしながら何枚か写真を撮り、ホームの待合室を覗く。壁一面には、この駅を訪れた人たちによる記念の書きつけがびっしりと貼られていて、新たに貼る余地もないくらいだ。

土合駅
ホームの待合室には、訪れた人たちによる大量の書きつけが貼られている。

標高差70メートル、462段の階段を上る。

下りホームから改札出口までの標高差は約70メートル。いちばん下から見上げると、出口付近の光が小さく見え、まさに「地の底にいるなあ」という感覚を味わうことができる。まさに地下シェルターのようだ。

土合駅
この時、土合駅で降りた人は10人くらい。もの好きな人たちが462段の階段を上りはじめる。

まずは462段の階段を上っていく。壁を見ると、地中から染み出た地下水がドバドバと吹き出し、階段脇に急流を作っていた。
だんだんと疲れてきて、途中から息が切れてくる。そんな人たちのために、階段の途中には休憩用のベンチも用意されているので安心だ。

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462段を上りきったところで、後ろを振り返る。いちばん下のスタート地点が見えないくらいで、ここであらためて地の底から上ってきたことを実感する。ここで階段がバタンと平らになる仕掛けがあれば、大迫力のドッキリになるに違いない。

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駅の改札口までは、まだもう少しある。薄暗い通路が続いていて、途中、24段の階段がある。

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現在は無人駅となった土合駅だが、改札口はそのままの姿をとどめている。駅の事務室はなかなか広く、きっぷ売り場の窓口も2つある。かつては、この駅で働く駅員や利用客はどれくらいのものだったのだろう。
駅の事務室は、現在はカフェ(mogura)として使われ、電車を待つ人たちで利用されている。

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上り電車で水上方面へ戻る。

駅舎の外に出て、写真を何枚か撮り、次の上り電車で水上方面に戻ることにする。
同じ群馬県であっても、山を背中にして関東平野側は晴れていても、こうして山間までやって来ると空模様も気温も一変する。訪問時は雪はまだそれほど積もっていなかったが、空は灰色の雲で覆われ、雪がちらついていた。

土合駅
土合駅の駅舎。

上り電車のホームは地上にある。
約50分の短い滞在を終えて、この日の宿を取った老神温泉を目指して、沼田駅へと向かった。

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【土合→沼田 510円】
12:40発 土合 JR上越線・水上行
12:55着 水上
13:14発 水上 JR上越線・新前橋行
13:31着 沼田

【今回の旅の交通費】
3,940円 (青春18きっぷ×1回分)

(※本記事は2023年1月時点の情報になります)

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