石川雲蝶の寺、西福寺へ
誰が言い出しっぺなのかは知らないが、「日本のミケランジェロ」あるいは「越後のミケランジェロ」という異名で知られる石川雲蝶は、江戸時代後期の木彫り師である。石川雲蝶も、まさか自分がそんな異名で呼ばれることになるとは思いもしなかっただろうし、そもそもミケランジェロの存在すら知らなかったに違いない。
新潟の旅の2日目は、その石川雲蝶の作品を巡るわけだが、宿泊地の栃尾又温泉からバスで小出駅まで出てきて、電車とバスと徒歩を駆使しての、なかなか面倒くさい行程となった。バスや電車の乗り継ぎにはとくに気を使うわけだが、いかんせん本数が少ないため、タイミングが合わずに待ちぼうけ…ということもあり、これもセコ旅の宿命だと割り切って、空いた時間は本を読むなどしてのんびり過ごすしかない。
【栃尾又→小出駅前 420円】
8:35発 栃尾又 南越後観光バス 420円
9:08着 小出駅前(小出 ~ 大湯温泉 ~ 栃尾又温泉 線)
西福寺へ行くには、最寄りのバス停である「虫野上口」に向かわないといけないわけだが、ここでいきなり1時間ちょっとの「待ち」である。急いでいる人はタクシーを捕まえてお寺へ向かってしまえばいいが、しかしここでは「セコさ」を追求しなければならないので、バスを「待つ」という選択肢しかない。待って待って待ちまくるのだ。
【小出駅前→虫野上口 200円】
10:15発 小出駅前 南越後観光バス 200円
10:27着 虫野上口(小出 ~ 浦佐 ~ 六 日 町 線)
浦佐駅方面のバスに乗って、10分ちょっとで虫野上口に到着。ここから歩いて15分くらいなので、最寄りっていうほど最寄りでもないのが悩ましいところだ。
バス停からお寺までの道のりは、道路が新しくなっていることもあって、以前に1度来た時とはかなり印象が異なった。こんな道のりだったかなぁ…と思いながら、新しい道を歩いていった。
西福寺開山堂で写真を撮りまくる
さあ、いよいよ到着したぜ西福寺。何年ぶりなんだぜ西福寺。
石川雲蝶の作品の数々が保存されている西福寺を目の前に、そして、ましてや9月いっぱいまでは写真撮影がオッケーとあって、否が応でもテンションが上がってくる私の心の声は、すっかり「だぜ」調になっていたんだぜ。
しかし、お寺の拝観受け付けの人に対して、そんなテンションで面と向かうわけにもいかないので、心を落ち着け、平静を装い、それから手指の消毒も忘れずに、拝観料をお支払いする。

そして開山堂へ。
西福寺は禅宗の寺なので、開祖・道元禅師を題材にした作品で彩られている。精緻で極彩色の天井の透かし彫りは「道元禅師猛虎調伏の図」。

石川雲蝶は、木彫り以外にも絵画や漆喰などに高い芸術性を発揮した。その才能は、今っぽくいえば、マルチアーティストと呼ぶことができる。
西福寺開山堂は、蟠谷大龍(ばんおくだいりゅう)という和尚によって建立され、石川雲蝶が30代から40代にかけて腕をふるって作り上げた。これまた今っぽくいえば、蟠谷大龍和尚が総合プロデューサーとしてアーティスト石川雲蝶を招聘して作り上げた、壮大なインスタレーション作品といえるだろう。和尚も30代だったというから、お互いに気力も体力も充実した時期の作品であり、それは開山堂を目の前にすれば、さもありなんと思うだろう。
それから、本堂の床の板を見れば、材木の隙間を埋めるような小さな細工が仕込まれていることを発見するだろう。これも石川雲蝶の手によるものだとか。遊び心が満載でかわいらしい。下の写真では3つほど紹介したが、他にもあるので見つけてみると楽しいに違いない。
開山堂を激写しまくり、すっかり満足した私は、来た道を戻って、次のお寺へと向かったのだった。
石川雲蝶の寺、永林寺へ
【虫野上口→越後堀之内 440円】
12:07発 虫野上口 南越後観光バス 200円
12:24着 浦佐西口(小出 ~ 浦佐 ~ 六 日 町 線)
12:48発 浦佐 JR上越線・長岡行 240円
13:00着 越後堀之内
まあまあうまい具合にバスと電車を乗り継いで、永林寺の最寄り駅である越後堀之内駅にやって来た。最寄りといっても、お寺までは歩いて20〜25分なので、最寄りっていうほど最寄っていないのが悩ましいところだ。ちなみに、昼食をとるお店を探している時間はなかったので、浦佐駅の売店でおにぎり弁当を買い、ささっと食べて済ませた。
さて、越後堀之内駅からお寺までの道のりを写真に収めて紹介しようかと思ったが、途中から永林寺への道案内の看板が現れたので、看板だけを撮っているだけになってしまったのはご愛嬌だ。
永林寺にも石川雲蝶の作品が数多く残されている。
本堂の欄間を彩る精緻な透かし彫りの他、浅彫り欄間の作品は無駄な装飾を排して余白を巧みに使い、雲蝶のデザインセンスの良さに感嘆することだろう。お寺の奥さまが雲蝶のエピソードを交えながら作品の説明をしてくださるのだが、とても味のある語り口だった。
1時間ほどで永林寺の拝観を終え、また20分ほど歩いて越後堀之内駅へと戻る。
越後堀之内から小出駅へと戻り、前日から宿泊している栃尾又温泉へ向かい、2日目の行程を終えたのだった。(続く)
【越後堀之内→栃尾又 570円】
15:09発 越後堀之内 JR上越線・越後湯沢行 150円
15:12着 小出
15:20発 小出駅前 南越後観光バス 420円
15:51着 栃尾又(小出 ~ 大湯温泉 ~ 栃尾又温泉線)
※本記事は2022年8月の情報を元に記載しております。
































