曇天の湿原を釧路から網走へ
前回に続いて、紹介するのは春の18きっぷで釧路を起点にした日帰り旅なのである。記事のアップを温めていたら、更新することを怠けているうちに記事のことなど忘れてしまい、その間に夏の18きっぷも始まってしまったわけであるが、まあ、いいか。小さいことは気にしない。
今回は釧路から網走への日帰り旅。曇天模様の中、釧路駅始発の網走行き釧網本線に乗り込んだ。
片道3時間以上の旅程である。片道の運賃がすでに4,070円であるので、往復したら 8,140円…と、当たり前のことをドヤ顔で言ってしまいそうになるくらい、18きっぷの使い甲斐があるセコ旅だ。
【釧路→網走 4,070円】
6:38発 釧路 JR釧網本線・網走行
9:51着 網走

釧路駅を出発して、15分ほども走れば車窓の景色は一変し、釧路湿原の東の際のあたりを北へと進んでいく。時々、数匹のエゾシカの群れの姿も見える。
列車は湿原を抜けて、さらに北上する。知床斜里の駅を過ぎると、今度はオホーツク海の風景が車窓の向こうに広がる。曇天模様なのが残念だ。列車は、右手にオホーツク海の景色を供にして、網走駅を目指していく。
網走駅に到着。駅名の縦書き看板には、網走刑務所で刑期を終えた元受刑者が、二度と「横道」に反れないように、まっすぐに生きてほしいという願いが込められているとのこと。

網走駅から網走監獄までは、時間が合えば網走バスの「観光施設めぐり線」で監獄博物館前まで行くことができるが、この日は「女満別空港線」で天都山で降車し、そこから上り坂を歩いて監獄博物館まで向かうことにした。
網走監獄を見学する
網走監獄の見学は2度目なのだが、前に来たのが25年前とかそんな感じなので、ほとんど記憶からは消えてしまっていた。今回、あらためて見学してみると、こんなに見るところがあったのかと、ちょっと感動さえしてしまった。もしかしたら、25年のうちにパワーアップしていたのかもしれない。

2時間もあれば大丈夫だろうと思っていたのだが、博物館の資料なども見ていくと2時間では足りず、途中のところどころを急ぎ足で見学。刑務所や監獄が好きな人には夢のような場所…かもしれない。
博物館の見学を終えて、併設の「監獄食堂」でランチを食べる。
ザンギ(から揚げ)といえば鶏が定番だが、ここでは鱒を使ったザンギ。ちょっとザンギの切り身の量が少ないか…
冷えた体を川湯温泉で温める
この日の気温は10度に満たないくらいで、風もぴゅーぴゅー吹いているし、実はそんなに厚着をしていなかった私は、網走監獄の見学中にも凍えてしまいそうだったのである。
これはもうダメだ、寒すぎる、どこかで温まりたい…いや、そういえば途中駅に温泉があったはずだ!と、スマホで日帰り温泉を検索すると、川湯温泉駅から歩いてすぐの場所に日帰り入浴を受け付けている小さなホテルを見つけたのだった。タオルも貸し出ししてくれる。やっほー。
というわけで、乗り換え検索で電車の本数なども調べ、釧路駅までまっすぐ帰ることはやめて、温泉に立ち寄り入浴をすることにしたのだった。
こうしたことを手のひらの中でササっと調べることができる、便利な世の中になったものである。25年くらい前に道東を旅した時は、まだ時刻表片手だったよな…ということを思い出し、おじさんになった我が身に流れた時間をしみじみと振り返る…というようなことは、残念ながら無かった。
【網走→川湯温泉 1,890円】
15:10発 網走 JR釧網本線・釧路行
16:52着 川湯温泉
川湯温泉駅は、レトロな見た目の温かみのある駅舎。併設の足湯も、木のぬくもりがあふれていた。素敵な駅舎だった。
そして、駅から徒歩5分くらいの場所にある「ホテルパークウェイ」様。
あえて「様」と呼ばしていただこう。凍えきった私の体を温めてくれたのだから。とても気持ちの良いお湯だったので、このまま泊まってしまいたくなった。
次の釧路行きは1時間20分後。温泉にゆっくり入って温まるには、ちょうどいい間の時間だった。
【川湯温泉→釧路 2,100円】
18:15発 川湯温泉 JR釧網本線・釧路行
19:55着 釧路
すっかり体も温まり、釧路行きの電車に乗る頃には、すでにあたりは暗くなっていた。
往復の運賃8,060円分の18きっぷの日帰り旅は、凍えて寒い思いはしたものの、予定外に温泉に入ることもできたし、結果、満足感が多めの旅となった。
そして列車は夜闇の湿原の中を進み、車窓からの景色はほとんど何も得られない。そこには深い闇だけがあった。

























